救済を受けられる場面って結構あります。そしてその場面ごと、受けられる救済の種類もいくつかあります。知ってる人は知っています。

ゴルフには「救済の措置」というのがありますね。

カート道や排水溝、サブグリーンに修理地など、大抵のプレーヤーがほとんどのラウンドで12回は救済を受けることがあるでしょう。
池やペナルティエリアに打ち込んだ場合も、1打罰で救済を受けることができますね。

ところで、あなたは正しい救済措置を覚えていますか?・・・という以前に、正しい救済措置を教えてもらったり、勉強したりしたことがありますか?

勉強した人はご存知だと思いますが、救済には様々な状況と、それぞれの状況で受けられる救済方法が複数あります。プレーヤーは自分が受けられる救済の中から、自分にとって一番良いと思われる措置をとってプレーを続けるわけですね。
救済の措置について、いろんな状況や選べる救済措置の種類を全部説明していると日が暮れてしまうので、残念ながらここでは割愛しますが、要は救済にはそれほど多くのパターンがあるということです。

きっと、競技ゴルフをやらない限りは細かく知ろうとは思わないでしょう。
勉強してみればわかりますが、基本的な部分は全然難しいわけではありません
それでも実際は、プロゴルファーやルールを熟知している競技ゴルファーですら、レアなケースなどの場合には正しい措置の方法に迷って競技委員に確認したり、間違えた措置をとってしまうこともある程の細かさではあります。

救済措置の方法が間違ってる人、適当にやってる人って、凄く多くないですか?

さて、ここであなたを「基本的なゴルフのルール」を知っている人だとしましょう。

そもそも「基本的なゴルフのルール」ってなんだよって話になりますけど、OBは2打罰ペナルティエリア打てるなら無罰でそのまま打っても良い・または1打罰で救済を受けるバンカーではソールしてはいけない、グリーンでのマークの仕方など、ゴルフの「いろは」「い」に加えて、「正しい救済措置」をある程度知っている人だという前提で話を進めます。
つまり、池や林のようなレッドペナルティエリアに入った時の救済措置に加えて、カート道にボールがあったりスタンスがかかってしまうなどの場合や、サブグリーンにオンしてしまったり排水溝にボールが入っている場合などのルールに沿った】救済措置の取り方がわかっているということです。

あなたがラウンド中、同伴者のボールがカート道の上に止まりました。
そこで同伴者が「カート道にあるからボールを動かすね」と言って、非常にライが良くて明らかにカップへと近づいた場所にボールを手で置いた場合、あなたは間違いを指摘しますか?
ちなみにこの場合の正しい措置は、ニヤレストポイント(ホールに近づかずに救済を受ける理由となる障害がなくなる場所で、元々あったボールの位置から一番近いポイント)を起点にした、1クラブレングス内のエリアに膝の高さからドロップです。

どうするかは、間違っている措置をとった相手にもよるのかもしれませんね。
さあ、あなたは間違っていることを指摘するかしないか、どうします?悩みませんか?

もしこの人が正しい措置を知っているにも関わらず、とにかく自分が打ちやすい場所へと移動させたのであれば、当然ながらわざわざ指摘する必要もないでしょう。(コイツはそういう人間か・・・)と心の中でガッカリしてやれば良いだけです。
ですが、世の中には正しいルールを知らずにそうしている人も少なからずいます。
カート道にボールがあった場合は、近くの打ちやすい場所に置いて打ったらいいよって教えられたまま、それが正式なルールだと勘違いしているような人です。
これ、もし僕自身がそんな勘違いをしていたら絶対にちゃんとしたルールを教えて欲しいのですが、正しいルールを知っているのか知らないのかは聞いてみなくちゃ本人以外は誰もわからず・・・。
結局、聞くのも失礼だなぁ、なんて、ルールを知らない人だったとしても教えてあげることも叶わず、複雑な心境のままその場をやり過ごすことになりますよね。

なぜかゴルファーって、正しいルールを勉強しようとは思ってないんですよね。そんなに好きなのに。本当に好きなんですか?

以前、こんなことがあったんです。

ゴルフが少しずつ上達してきて、楽しくなって数ヶ月、ようやく100切りが見えてきた頃です。

ラウンドのたびに、あと1打、あと3打、また今回もあと1打・・・と、毎回ギリギリ100を切ることができず、今回こそ!次こそ!と、ラウンドの前日はソワソワして夜も眠れない・・・ゴルフとは不思議なもので、それほどまでに好きなのにどうして自分で正しいルールを勉強しようとは思わないのでしょう?

その頃、僕は
⭐︎ロストボールはボールが無くなったであろう場所から無罰で打つ
⭐︎ボールの場所へ行ってみてOBだった場合にはOBゾーンに入ったであろうポイント付近から2打罰プラスして打つ
⭐︎池に入ってしまったら1打罰でフェアウェイに出して打つ
など、上手い人が初心者にやらせる「もういいから適当に打ちやすいところから打って早く先に進むよ」的な措置を正式なルールだと思っていました。
だから、OBかどうかが微妙なギリギリの辺りへ打ち込んでしまった時には、「いいよ、行ってみてOBだったら2打プラスしてそこから打つから」なんてことを公式ルールだと勘違いして堂々と宣言していたわけです。

その日もボールは右へ左へと飛んでいて、OBも、ギリギリセーフも何回か・・・ただペース的にはいつも通り、初の100切りが見えている状況で。
ラウンドも大詰めの17番、僕の打ったボールはラフからさらに奥の林の入口付近へ。しかしOBゾーンではありません。ただ、ボールは地面から少し突き出た岩の上で止まっていて、無理に打って失敗したらクラブがキズ付いてしまうような状態でした。

「それ、無理して打つとクラブがキズ付いちゃうから、ノーペナでその辺まで出して打ったらいいよ」

一緒にラウンドしていた上司が教えてくれて、岩や石ころが邪魔にならないところまで5メートルほど僕はボールを移動しました。
「そんなところじゃなくて、フェアウェイまで出してもいいから」
上司は言ってくれましたが、さすがにフェアウェイまでは良くないでしょうと、石だけ避けた土の上からの次ショット。ボールはボテボテながらもフェアウェイに戻り、そのホールはなんとかダボ上がり。
最終18番をボギーで上がれば99、初の100切りまであとわずかです。

最終ホールのPar4をなんとか3打でグリーンオンし、1パット目が残り50センチ、とうとうその瞬間がやってきました
「集中してな!」みんなの応援を背に、ラストパットをねじ込んで初の100切り達成です!
あぁ、こんなに感動するものなのね、初めての100切りって・・・。

「やっとキミも100を切れたな。オマケの1打があったけど。」

ん?・・・オマケの1打?
「なんですか、オマケって?」

「ああ、17番の石だらけの場所のやつな。あれは本当はそのまま打たないとダメなんだよ。アンプレって方法もあったけど。」

えぇ・・・??
もう、ガッカリです。

(そんなの、その時に言ってくれよ!オマケなし、ルールの範囲内での100切りをさせて欲しかった・・・っていうか、これじゃ100切ったことになんないし。アンプレヤブルなんて方法があるなら、1打罰でちゃんとルールの範囲内に動かしたし、なんだったら動かさなくても打とうと思えば打てないこともない場所だったのに。なんでちゃんと教えてくれなかったんだよ!!!アンタが上手いからって人の初めての100切り、適当に考えて舐めてんじゃねえよ!)

いいえ。そんなの事前にルールをきちんと知ろうとしなかった自分自身が悪いに決まっています。
ルールを知っていたら、その場で「オマケはいらない」と言って正しい措置ができていた。
「オマケの1打あり」なんてケチの付いた99にはならなかった。
ま、ルールに沿った措置をとった上で本当に99でラウンドできたのかどうかはまったくの別問題ではありますけども。

結局、僕はその日は100を切ったことにはせず、本当の意味で初の2桁スコアでラウンドしたのは随分遅れてそれから半年後となりました。

アンプレヤブル・・・打つことが困難な場所にボールがある場合にプレーヤーがとることができる処置。アンプレヤブルの判断をするのはプレーヤー自身で、1打罰を払った上で次の3つの救済方法から1つを選択して打つ。
①ボールの位置からピンに近づかない2クラブレングス以内のエリアにボールをドロップして打つ。
②ボールとピンを結んだ後方線上にドロップして打つ。
③最後にプレーした場所に戻って打ち直す。

ゴルフのルール、ちゃんと知ってる方が絶対カッコいいですよ。

救済の措置、プライベートのゴルフでもいちいちニアレストポイントにマークしたり1クラブを測ったりしていたら、もしかしたら面倒臭くて細かい人に見られるのかもしれません。

だけど僕はそれでも良いと思っています。

きっとルールを知っている人なら、僕のその姿を見たら正しい措置をしていることがわかるでしょう。
そしてルールを知らない人からしてみたら、僕が何をしているのかがきっと気になるはず。
ルールの中で正しくゴルフを楽しみたいと思うような人ならきっと、何をしているのか、どうしてそうしているのかを聞いてくることでしょう。
その時ちゃんと教えてあげられるように、そしてルールを知らない人が教えて欲しくなるように、自分だけでも正しい救済措置の手順を見せていたら良いのです。

それは少なくとも自分が他の人を
(彼は正しい措置を知っているのかな?教えてあげた方がいいのかな?)
なんて悩ませてしまうことはないということ。
そしてルールを知ってさえいたら、初の2桁台やベストスコアの更新時に「オマケの1打」なんてケチが付くこともありません。

せめて100切りを達成する前までには、正しい救済措置、正式なルールを学びましょう。
いつか誰かのお手本になれるように。

ではここで問題です。
木の根っこの間にボールが入ってしまって打てそうもない時、スタンスを取ってみたら足がカート道にかかっていました
この場合に無罰で受けられる正しい救済措置はわかりますか?

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