あなたが普通の思いやりの持ち主だったら、茶店でキャディーに飲み物くらいはご馳走しているはずですが
キャディーさん、今日もお仕事お疲れさまです!
クラブを持たせて走らせたり
ボールを拭いてもらったり
OBで叫ばせてしまったり
フォローしようのないオヤジギャグに愛想笑いしてもらったり
あるいは鳥肌が立つような下ネタを聞かせてしまったり。
真夏の炎天下でも暴風雨の中でも真冬の冷たさでも、僕らごときの球遊びにお付き合いしていただいて、本当に頭が下がります。
今朝も1番ホールから、林の中で一緒にボールを探させてしまいました。
心から感謝しております。僕だけじゃありません。これが4人もいるのです。大なり小なり、全員がちゃんとお世話になっています。
こうなると、御礼とお詫びも兼ねて、本当に心ばかりの品ですが、せめて茶店で何かドリンクでも・・・と声をかけようと思うのは当然のことじゃないでしょうか?いや当然です。
本来なら、みんながこの気持ちでいても良いはずなんですが、そこで尻込みする人の多いこと・・・ゴルフ代の総額に300円、高くても500円程度をプラスするだけで、その後さらに気分良くお付き合いしてもらえるわけです。何を尻込みする理由があるんでしょうか?ケチ臭い。
チップを渡せと言ってるんじゃないんですよ。
そんなのは大金持ちが自己満足でやればいい。まあ、キャディーが喜ぶのはそちらでしょうけど。
「キャディーさん、何か飲み物はどうですか?」
この一言がお互いの気分を少しずつだけでも良くするんです。
4人のうち、誰がキャディーの飲み物のお金を払うのか?せめぎ合う我ら
さて、ここで課題が一つ出てきます。
4人のラウンドメンバーのうち、誰がキャディーにご馳走するか(誰がお金を払うか)問題です。
ただし。本来なら、べつに誰かが代表で1本だけ差し入れすることにこだわらなくても良いはずです。持って帰れば良いのですから、飲み物は何本あっても多ければ多い方がキャディーさんは喜びます。4人全員がそれぞれご馳走することだって何もおかしくないということは頭に叩き込んでおいてください。
そんな風に全員が考えている仲間たちとゴルフしてたら一番良いですねえ。
ベストの流れ、それは
「キャディさん、何か飲みませんか?」
「私もご馳走させてもらいます!」
「僕も!」
「それじゃ、好きなの4つ選んでいいですよ!」です。
2人だけとか3人だけってのは、それはそれで心の摩擦を生んでいる感あります。どうか平和に解決しますように。
ハナからその感覚がない、『キャディーフィーを払ってるんだから仕事して当然』とか言って、仲間からもキャディーからもその点については軽視されても良いと考えている人のことは諦めましょう。すごい大金持ちでも結構います。そういう人。
もちろん、率先して自分が出すというのが、愛されゴルファーの大前提ですが、気をつけたいのはラウンドメンバーの中に目上の人がいる場合ですね。取引先や上司、年配者などです。人生の先輩なんかがいる時に、そこで若造が出しゃばって(俺がするつもりだったのに、年長者の顔を立てずに自分だけ格好つけようとしやがって)なんて思われるのも悲しいです。愛されゴルファーを目指すあなたが好かれなくてはならないのは、キャディーだけではなくそこにいる全員。キャディーの気分を上げても、その行為で誰かがヘソを曲げたらダメなのです。
(年長者のこの人、このまま茶店をスルーするんじゃないか?キャディーに欲しいものを聞かずに茶店へと入っていくんじゃないか?)その辺をギリギリで見極め、(やはり我こそ声をかけるべき)と思った時にキャディーに聞くようにしましょう。
もしくは、茶店の直前ホールのアプローチあたりで、目上の人には気づかれないうちに、キャディーに小声で
「茶店で何を飲まれますか?」
って聞いておくのもアリですね。
後から彼がキャディーに「何がいいかい?」と聞いた時には、
(どうぞどうぞこちらの方にお譲りしますので彼からご馳走になってください)を、目だけで伝えます。
ま、本来ならこっちに面倒な気配りさせる前に目上のオマエが早よ、一声かけんかいって僕は常に思っています。
ドリンクの差し入れをご辞退された時のスマートなやり取り
何か飲みませんか?と質問した時に、「私は持ってきていますから結構です」と遠慮する奥ゆかしいキャディーさんもいます。ただ、ご馳走しますと言われて嬉しくないはずがありません。宗教上の理由や、あなたが生理的に受け付けられていないなど、よほどの事情がない限りは。
その時は、いいからいいからVSいえ結構です結構ですの応酬はせずに、一度だけ「僕らは少し休憩するので、キャディーさんも一緒に一息つきませんか、冷たい物でもご馳走するので」と言いましょう。「一緒に」の一言が重要です。
それでも遠慮されたら、これ以上は押さなくて大丈夫です。あなたの気持ちは十分に伝わってるんで。
いつもあなただけが出費してるのは少し腹立たしいでしょ?いやらしい解決法を伝授します
それでも、いつも一緒にラウンドしている仲間たちの中で、自分だけが毎回負担しているというのもちょっとウンザリしますよね。(オマエら甘えてんな?コイツが出すから黙っときゃいいやって思ってんな?!)って。しかも、若いキャディーや好みのタイプのキャディーの時だけは、あいつら率先して聞くんです。その時だけはいい顔しようとして。
そこで、あなたに良策をお教えしましょう。
茶店の前のホールでのスタート時、優勝者がキャディーにご馳走をするゲームを提案するのです。
カップから一番遠いところにグリーンオンさせた漢気あふれる人や、パットを一番最後に打つことになった技巧派など、なんでも構いません。みんなで楽しむ遊びの優勝賞品として、キャディーさんにご馳走して残りのラウンドで贔屓される権利を与えようということです。(本来の意味合いは最下位の罰ゲームですが、罰ゲームで悔しがりながらご馳走されるのはキャディーさんも心苦しいはずなので、栄誉としてみんなで讃え、該当者にはちゃんとガッツポーズをさせましょう)
人は愚かなもので、普段は絶対に誰かの為にはお金を出さないタイプでも、その時には大抵参加してきます。勝負を始める前は、誰もが多少は(自分が負けることはない)と思っているからです。その上、全員にご馳走するわけでもないんだし。負けても数百円です。きっと断らないでしょう。それすら断ったら救いようなく格好悪いですから。そこまで神経が太い人がいたらもう諦めてください。
勝敗が決まり、主旨を理解した上でも、キャディーにご馳走することを残念そうにしている空気の読めない輩がいたら、その時こそあなたが喜んで彼と代わってあげてください。ショボさ際立つそいつに天罰を与えた上で、あなた自身の株を上げることができます。
あなたは、最初からキャディーにご馳走する腹づもりでいるのだし、支払いをすることになってもノーダメージのはずです。その上、勝負に敗れて飲み物プレゼントを他の人に任せたとしても、自分がご馳走になる提案をしてくれた人として、キャディーに好印象でインプットされます。これ、とてもとても腹黒いですけどおすすめです。
さて、ラウンドの際には男性であろうとおばさんだろうと、どんなキャディーでも必ずご馳走するのを推奨する僕ですが、どうにも腑に落ちない時もあります。
ろくに仕事もしていないのに、仕事しようという姿勢も見せていないのに、
「じゃあ、ビールをお願いしてもいい?」って、アルコールを要求してくるバアさんキャディーです。
文句言わずに黙ってビールを渡しますけどね。
ババア頼む。仕事してくれ。