できれば一緒にラウンドするのをご遠慮したい人

その人と一緒にラウンドをしていると、相性が悪いのか自分の調子が崩れてしまう人と、なぜか自分の調子が良くなる人がいます。

例えば、ハナから良いスコアでラウンドしようとは全く思っていなくて、ゴルフ場に着いても一切練習もしない、スタートホールから缶ビールをグビグビ、パターも2パットしたらもうOK、みたいな適当なゴルフをする人
そんな人と一緒のラウンドは(ああ、今日はまともなゴルフをやれそうにない…)と、勝手に思い込んでしまってショットもパターもつい適当に…そうしているつもりは一切ないのですけど。

とにかく急いでラウンドを終えようと常にイライラしていて、なぜかこちらまで急かされてる気分になってしまう相手も、僕のスコアには悪影響です。

それから、人のスイングについて解説や指摘をしてくる人。グリップから始まり、スタンスの前傾角度やバックスイングの深さなど、聞いてもないのにああなっているこうなっていると…競技ゴルフならアドバイスはペナルティに該当する行為なのですが、ギリギリアドバイスにはならないように、どんなスイングなのか事実のみを解説してくるのです。確信犯です。これにも調子が崩されます。

これが無意識でのことならまだしも、自分のスコアが崩れてくると、あの手この手で人の足を引っ張って道連れにしようとしてくる人もいるんですよ・・・。
気になってしまう僕の心が弱いせいだとわかってはいるんですが。
まだまだ修行が足りません。

一緒にラウンドするとこちらの調子が上がってくる人

反対に、その人がいるだけで自分の調子が良くなってくるのは、こんな人です。

早くもなく遅くもない、適度なペースでにこやかに、和やかなゴルフをする上級者
良いスコアを出そうと真剣に取り組みながら、人のことまで励ませるゆとりのある人。
・空気みたいな人(平常運転でプレーできる)

空気みたいに存在感を消している人は別として、上記のような人たちとのラウンドは、朝からウキウキしています。今日はベストスコアを更新できるかもしれないと自信も出てくるし、何よりゴルフがより楽しい。
これから素晴らしい一日が始まるという期待感です。

よく一緒にラウンドをする、大好きな人がいます。

少し歳上のその人は、出会った当初、所属ゴルフ場でのハンディキャップが10。
あとひとつでシングルプレーヤーでした。

ハンディキャップ10・・・平均スコア82レベルの人
シングルプレーヤー・・・ハンディキャップが1桁(9以下)の人。平均スコア81以下。70台でラウンドすることもしばしば。ゴルファー全体の1.5%〜2%程しかいないゴルフ上級者。

ゴルフ場ごとにルールが違うと思いますが、僕らの所属しているゴルフ場は、ハンディキャップが10になったあと、クラブ競技会で優勝しなくてはシングルにはなれません。
何年か前に10になっていたその彼は、なかなか優勝ができないまま、シングルの壁に挑戦し続けていました。

クラブ競技会・・・各ゴルフ場のメンバー同士で競い合う大会のこと。通常の場合は毎月、何度か開催されている。その日のスコアから自分の持っているハンディキャップを引いたネットスコアの少なさで順位を決める。成績によってハンディキャップが減っていくのでみんな真剣。

ある日の競技会でのこと。

僕と一緒の組だった彼は、最初は調子が良かったものの、前半ハーフの最後の3ホールを全てダブルボギーにしてしまい、+6でハーフを終えました。

「よし、今日は諦めて、あとはキミの応援を頑張ることにしよう!」

当時の僕のハンディキャップは18。前半で+8でしたが、後半の調子が良ければまだまだ優勝の可能性があります。それでもやっぱり、そこはハンディキャップ18レベルの実力。どのホールでもミスショットが出て、ピンチばかりのラウンドです。

「ここは耐えどころだよ!ちゃんと集中して。」
「諦めたらダメだよ!まだいけるから。」
「ナイスパット!よく粘ったね!」

彼が一生懸命に声をかけてくれたおかげで、OBを打っても池に入れても気持ちが切れず、最後の1ホール18番を残して+15。ハンディキャップが18ですから、ここをパーで切り抜ければ−3。
優勝の範囲内です。

「ここ、絶対に気持ちを切らさないようにね!」

なんとしても彼の応援に応えたいと、クラブを振り回さずに慎重に、それでも身体はしっかり回して、なんとかボギーオンでのパーパットに漕ぎ着けました。

「もう何にも考えなくっていいから、あとはしっかり!」

大緊張のパーパットでしたが、これが神がかり的にカップイン。
「ナイスパー!やった!!」僕らは二人で手を取り合って喜びました。

一緒にラウンドする人のプレースタイルや言葉で、ゴルフの内容は全く変わってくると思います。
僕も、人のゴルフを良くするゴルファー一緒にラウンドしたいと思われるゴルファーになりたいと、強く思った一日でした

前述の人たち、見習ってください

さて、その彼ですが・・・その日、結局+6。ハンディキャップとトータルで−4で見事優勝し、晴れてシングルプレーヤーになりました。僕を鼓舞しながら、後半パープレーでラウンドしたのです。
人にしっかり期待させておいて(笑)

人のプレーも応援しながら、人のゴルフも良くなれと祈りながらラウンドすると、自分も良くなるのですね。

前述の人たちには大いに見習って欲しいものです。