仲良し三人組のグループに、知らない一人で切り込めますか?
最近は「一人予約」みたいなシステムで、ラウンドするメンバーが揃っていなくても1名や2名でラウンドの申し込みができ、ゴルフ場が他の人たちとマッチングをしてくれるスタイルも浸透してきました。
最初は(一人でそんなところに乗り込んでいける極太神経の猛者たちの中でなんか、僕は怖くてやれない💦)と敬遠していましたが、クラブ競技に出ていると、初めましての人たちと一緒になることも多く、なんなら仲良し三人組の中に全く知らない人が一人で飛び込んでくることもあったりします。
当初はそんな人の無神経さを疑うなんて自分すらいたのに、今では僕自身が一人で乗り込むのも意外と気にならなくなってきました・・・しかし何が変わったんだろう・・・面の皮が厚くなったのかな?
とにかく今では、孤独のゴルフもなかなかいいもんだな、と思い始めています。
考えてみたら仕事先のコンペなんて、全員が別々の会社で初顔合わせということが珍しくありませんもんね。
初めて一緒にラウンドする人とホールをいくつか上がっていくうちに、お互いの腕前も人柄もだんだんとわかってきます。そんな中、ついつい聞きたくなってしまうのが「あなたは普段どのくらいのスコアでまわるんですか?」という質問。明らかに技術や飛距離がありそうな人には、気になって聞いてしまいます。
「いやあ、100前後ですよ」
「90くらいかな」
「ボギーペースですかね」
みなさん回答方法は様々ですが、それは腕前によって様々、というよりは、人柄によって様々と言った方が良さそうなんです。
「普段のスコア」って、どうやって答えてますか?
あなたも聞かれることがあるでしょう? その時、どんなことを考えて答えていますか?
ある時ご一緒した、かなり若くてイケメンのゴルファーの話です。
まあまあ上手そうで、いや、僕よりは遥かに上手いのは確実だったので、彼が歳下だったこともあって遠慮なく質問しました。
「〇〇さんは、いつもどのくらいでラウンドして来るの?」
「82、3くらいですね」
「ほう・・・それはレベル高いね。」
その日は、彼にとってはあまり調子が良くなかったのか、90は軽く上回りそうなゴルフの内容でした。いやあ、そんな日もあります。同伴メンバーのせいじゃないよね?💦
で、そこで出てしまった彼のひとこと。
「いやあ、僕、本当はもう少し上手いんですけどね。」
惜しい!言わなきゃいいのに!
あるホールでのティーショット、彼は真っ直ぐ綺麗な素晴らしいドライバーショットを放ち、ドヤ顔をなんとか抑え込んで多少高揚させた表情をしながらカートに戻ってきました。
もっと素直に喜んで欲しいと思った僕は、「凄いショットだったね!ドライバーはいつもだいたいどのくらい飛んでる?」と、称賛しながら質問しました。
彼は表情を涼しい顔に戻して「280ヤードくらいですね」と答えました。
こんな華奢なイケメンが280ヤードも飛ばすんだ、そりゃ凄いや・・・と思いながら、一緒にてくてく歩いていくと飛距離230ヤードの僕と彼のボールがあまり変わらない場所に並んでいます。。
(そうか、かなり良い当たりに見えたけど、実はちょっと詰まり気味だったのか…)
そうこうしながら前半ハーフを終え、茶店で軽食を食べながらゴルフ談義をしていると、これまでのベストスコアの話題になりました。僕は未だ、70台を出したことがありません。夢の70台・・・。やってみたいなあ・・・。
(普段82、3のスコアでラウンドしている彼のベストスコアはいくつなんだろう)と、興味津々でイケメンに聞いてみると、なんとビックリ、彼は「82です。」と答えたのです。
(なんやお前、アベレージ(平均)82と違うんかーい!)
そこからの後半ラウンドは、彼のプライドの高さばかりが気になってしまって、そしたら別の細かい所作まで、カッコ良くは見えない部分がポロポロと出てきてしまいました。イメージの滑落って怖いものです。
280ヤードはどこの下り傾斜でのベスト記録なんだよ・・・。
舐められちゃいけない、どこかで一発カマしておきたい、と考える気持ちもわかります。
(そのレベルなのに一人でこんなところへ来たのか?)なんて思われてしまいそうな気がしますもん。
ただ、その日その場で見せたラウンドが、今のあなたの実力そのもの。
他の人の記憶には、あなたがはじめにご披露した“いつものスコア”と“いつもの飛距離”がしっかりと焼き付いています。結果はご披露した数字に近い方がいい。できれば少し上回る方がいい。何としてでも喰らい付いてください。
そのためには謙虚に実力宣言しておく方が無難であると言っておきます。
それでも、普段80台前半でラウンドしてる人が「100切れる程度です」なんて答えるのは、嫌味に他ならないですよ。バカにされたと思われるので気をつけてください。
そして、言い訳と「本当は・・・」 「たら、れば」は、どれほど一生懸命に語ったつもりでも、どなたも1ミリも聞いてはいません。腕が折れていようが、肩が外れていようがです。帰れ。そんなもん。みっともないので絶対に飲み込んでください。
とどのつまりは
さて、ここで議題をもう一つ。
ラウンド前やラウンド中、ベストスコアを聞かれた後に、(ああ…嫌な質問されてしまったなあ)って気落ちしたことってありませんか?僕にはあります。
それはどういうことかと言いますと・・・
僕のベストは80なのですが、それは奇跡のように調子が良く、まぐれで出した一度限りのスコアです。もちろん、毎回このベストスコアを更新しようと目標にはしています。
ところが、調子によっては100をオーバーすることだってあるわけです。
そんな調子の悪い時に頭をよぎる(さっきベスト80だって言ったこと、みんなに嘘だと思われてたら恥ずかしいな・・・)の想い。そんなどうでもいいことを気に病んでしまうのです。
ええ、おわかりのように、基本的に人間が小さいです、僕は。だからどうやったら大きく見えるか、愛されゴルファーになれるかを常に考えているわけですよ。
結果、そうです。そうなのでした。
若いイケメンの彼に普段のスコア、ベストスコアなんて聞いた僕が悪かったのです。
自分だって聞かれたくないくせに・・・。
ごめんなさい。もう聞きませんから。