メンバーになっているコースに愛着があるのは誰だって同じですから
先日、友人とラウンドした時のこと。
友人が連れてきた人が、あるゴルフ場のインタークラブ選手経験者(つまり、めちゃくちゃ上手いアマチュアゴルファー)でした。
さすがゴルフ場の代表選手なだけあってボギーはほとんど打たず、基本的にはパーオン。稀にパーオンせずともアプローチがOKまで寄るってな感じで、(これはいい勉強になるなー)って思っていたんです。
前半のハーフが終わった時点では、彼のスコアは1アンダーで圧巻のゴルフ。
ところが後半、食事を挟んだことが影響してか、ショットに少しずつ乱れが出てきて・・・。気持ちにも余裕がなくなってきたのか、ボギーを2つ、ダブルボギーを1つ叩いてスコアが3オーバーになったところで、彼は引きつった笑顔でこう言い始めました。
「我がクラブはフェアウェーがもう少し良い状態なんですよ」
実は正直、最初から気になってはいたのです。
朝の自己紹介から、自分のゴルフ歴が実は浅く・・・それなのにすごいスピードでメキメキと上達して・・・ホームコースが如何に難しく・・・そんな中でも代表選手にまでなって・・・といった感じで、ご自身についてばかりをまぁよく喋る。
彼の自分語りに(たしかにゴルフは上手いのだろうけどモテ要素は少ないな・・・)と思っていたところ、遂に出ました決め手のひとこと。
ゴルフの腕は素晴らしいのにもったいない・・・非モテ決定です。
自分のホームコースを愛し、そこがベストのゴルフ場だと考える人はきっと多いことでしょう。
だけど人のホームへ行ったらそんなこと言うもんじゃありませんね。こっちはこっちで、自分のところが一番快適だと思ってるんですよ。
結局最後まで、ぐだぐだとホームコースとの違いを語り続けた彼の最終スコアは6オーバー。僕からしたらそれだって大拍手なんですけどね。大いにご不満だったようです。
少し残念な片手シングル様でした。
モテるゴルファーはコースに文句を言いません
ネット予約でセルフプレーをしている人たちはよくご存知だと思いますが、ゴルフ場のプレー料金にはコースの良し悪しがそれなりにしっかりと表れています。
平日でさえ2万円以上もするゴルフ場と5千円前後のゴルフ場では、スタッフの人数やサービス内容はもちろん、コースの状態にも大きな差が。フェアウェーのディボットの数、ラフの生え方・刈り込み具合、グリーンの転がりなど、(なるほどー、安いわけだ)と感じる要素が至るところで見られるわけです。
特に会員制ゴルフクラブの「名門」なんて呼ばれているところでやり慣れている人たちにとっては、荒れたコースへ行ったら驚くことが多いでしょう。普段やっている、フカフカで美しいフェアウェーからのショットとは勝手が違って、薄い芝や砂の上、ベアグランドのような場所から打つことも多く、ホールが進んでいくうちにスコアにも影響が出てきます。
あなたがモテゴルファーか非モテなのかは、こういう時にもわかります。
「こんな状態のコースじゃゴルフにならない」とか「スコアが悪いのはコースメンテナンスのせいだ」的なこと、モテゴルファーは絶対に言いません。
なぜなら彼らは、荒れたラフやディボットから上手く打てないのは、コースのせいではなく自分の実力が足りないせいだと自覚しているから。なんならコースの状態がどれほど悪いゴルフ場でも、いつもとそんなに変わらないスコアでラウンドしてきます。
それは普段から、どんな条件のラフだろうがディボットだろうが、拾い上げて置き直したりせずに「あるがままに」のプレーを徹底しているからです。
どんな名門ゴルフ場だって、深〜いラフもディボットも必ずありますからね。普段やり慣れているコースがどんなに素晴らしいコースだろうと、荒れ放題のコースだろうと、モテゴルファーにとっては関係なく、どこからでもそれなりに打てるわけです。
コースを責める前に自分自身を責め、悔い改めてコースを攻めましょう
スコアが悪いのをコースのせいにするのは非モテゴルファーの十八番(おはこ)ですが、僕が思う【非モテがしがちな最も愚かな言い訳】、それは「こんな重たい(転がりが悪い)グリーンでは良いスコアにならない」です。
百歩譲って、逆だったならまだわからないでもないんですよ。「グリーンが速すぎて良いスコアにならない」ということなら。
通常時のグリーンの速さは大体8〜10フィート程度なのに対して、プロの試合時のグリーンは11〜13フィート、それ以上の時もあるそうです。つまり、理屈で言ったら速いグリーンの方が断然難しい。
特にセルフプレーのゴルフ場では、3パット4パットを何度もさせて進行が遅れ、詰まってしまうのを避けようと速さ7〜8フィート程度まで重たく調整して「簡単なグリーン」にしています。
それなのに「重たいグリーンではスコアにならない」?なに言ってんだオマエ・・・
よく良く考えてみてください。
「今回のテストは簡単すぎて点数が悪かったけど、もっと難しい問題だったら良い点取れたんだけどな」って言ってるのと同じなんです。小学生でも言わないでしょ、こんな矛盾した言い訳・・・
本当に上手い人たちは、グリーンが速かろうが重たかろうが、コース状態が良かろうが悪かろうが、技術を駆使して、自分をコントロールして結果を出しています。
さらにこの非モテには、二重のカッコ悪さが認められますね。
一つはパターが上手くいかないことをグリーンのせいにしていること。もう一つは、自分がやり慣れているゴルフ場は、もっと速くて手入れが行き届いたグリーンなんだと自分の手柄でもないことを自慢していること。
さらにメンテナンスの良いゴルフ場はグリーンが速い傾向にあるので、場合によっては「ワタクシ、ここよりもお高いコースでやり慣れてるんですよ」にも聞こえてしまいますね。誰にとってもどうだっていい、聞くに耐えない自慢です。
どんなゴルフ場だろうと、ある程度は自分がこれから払う料金なりのはずなんです。
コースに文句を言う前に、その料金のコースを選んだ自分たちの懐事情を見つめ直すべきですよね。