あなたがティーグラウンドに刺すティーの位置でわかってしまうこと

あなたのティーの場所はどちら？

ティーグランドでのティーアップ、あなたはどこにティーを刺していますか？

僕の見立てでは、もうほとんどの人が左右のティーマーカーの間、割とギリギリまで前方のところに刺しています。

ルールでは、２つのティーマークを結んだ線の内側、しかもボールの一部だけでも内側に入っていればOKなので、一瞬ルール違反の「でべそ（２打罰）」かと思えるような位置でも、真横からのぞいてみると意外とセーフだったなんてこともよくあります。本当に稀に、エリアより前に出ているところから打ってしまっている人もいますが、結構な確率でルール違反を「見て見ぬフリ」されています。

ちなみに、いざこれからティーショットを打とうとしてる時に「ちょっと待って」なんて言われて、真横から「でべそ」かどうかを確認される・・・これって気分が良いもんではないです。僕はされたことないですけど。

うーん、どうでしょう？

２打罰の「でべそ」は論外だとして、真横から確認してまでもルール内ギリッギリのラインにティーを刺してるのって、なんかケチ臭い感じしませんか？いや、もちろんいいんです。ルール違反じゃないですから！っんでも・・・

わかりますよ。ドライバーショット、１ヤードでも向こうに飛ばしたい。ショートホールはピンを上から刺すように正確に打ちたい。

いーや、変わんねぇだろ！？

そもそもあなたそんな狙えるようなスイング、できてないでしょ。着弾点のライでボールがどんなバウンドするかわかんないでしょ。何よりあなた、同じクラブでも打つたびに５ヤードも１０ヤードも距離が違ってるでしょ！

プロですらそんな正確に打てる人、世界中の誰をとってもいませんしね。

それなのにアマチュアの、その中でも大して上手くもないあなたが、ティーだけは１cmでも前、１mmでも前に刺そうと頑張っているんです。もっと慎重になるべきポイント、いくらでもあるでしょう？

人間の小ささを指摘されても、気にならない人たち

仲良しで、僕が言いたい放題言っても怒らない人で、且つ、他では格好悪いところを見せないで欲しいなと思っている友人には、指摘してあげることもあります。

「そんな人間の器の小さそうなことやっていないで、パッと見て明らかにOKだとわかるところに刺しなよ」って。

ちゃんと、（人間がセコそうに見える）ということもわかるように言っています。ですが、残念なことに彼らは全く直そうとしません。それはなぜか。

人としての器が小さく見えることに対して、なんとも思っていないからです。

「いやぁ、ボールが飛んでく場所が変わらないことはわかってるんだけどさぁ、なんか少しでも前の方がいい気がするんだよね。」

「貧乏性なもんだからさ。」

ダメだ、彼らはゴルフで愛されるようになろうとは考えていない・・・そう、彼らはそれで良いのです。そこがまた良いところで、僕もむしろ彼らのそういうところが好きなのかもしれません。でも、僕もあなたも彼らとは違う。愛されたい、モテたい、カッコ良く見られたい、って考えていることを気づかれずに、自然にそんな雰囲気を出すのが目的です。

スタンスを取る場所がそこ以外になかったり、他のライが悪かったりで、そこにボールをセットすることがベストなポジションなのであれば、もちろんそれで良いと思います。僕でもそうするでしょう。それでも・・・僕は多少条件が悪くなっても、少しでもわかりやすく後ろに置きますね。格好良く見える方がいいですから。

美しいゴルフをする人から聞いた話

僕がお手本としているアマチュアプレーヤー（ハンディ２）の人とお風呂に入りながら、窓の向こうに見えるティーグランドのプレーヤーを観察していた時に、彼が言いました。

「きっと今から打つ人は上手だよ。見ててごらん。」

その通り、その人は美しいスイングでナイスショットを決めました。ファッションや風貌は、全然そんな風に見えなかったのですが。

その次に打つのは、見るからに上手そうなファッションの人でした。目がチカチカする色の服、キャップの上にサングラスを乗っけています。多分今日一日、それをかけるわけではないでしょう。ティーをセットした時、また彼が言いました。

「ああ、この人はきっとダメだね。」

その人については僕も打つ前からそんな気がしていたのですが、本当にしみったれた打球でした。スイングもガチガチに力が入った不細工な打ち方だったのです。

「なぜさっきの人が上手だってわかったんですか？知り合いじゃありませんよね？」

「ティーグランドのボールをセットする場所とセットの仕方で、その人が上手いか下手か、細かい人か大らかな人かくらいはなんとなくわかるよ。」

ああ、なるほど！と思いました。

素晴らしいナイスショットをした人はティーマーカーのかなり後ろ、遠くからでもすぐわかるくらい、後方にボールをセットしていたのです。

「ね、多分あそこは、スタンスを綺麗に取りやすい平らな場所なんだ。そして彼はわかりやすいスパット（目印）をサッと決めて、無駄な動きなくティーをセットしたでしょう。」

一方、ミスショットの彼はティーマーカーの真横から確認して、でべそかどうかギリギリの場所にティーを慎重にセットしていたのでした。僕もそれを見て（なんだかオーラがないな）と感じたのです。

ティーをルール内だと一目でわかるような位置にスッとセットすることで、細かいことは気にせず、器の大きな人物に見られるかもしれません。

そしてその方が、ナイスショットへの準備もしやすくなるのです。好状態のライを選べるエリアが広がるのですから。

「１cmでも前に！」なんて、ケチ臭く見えることはやめましょう。全くスコアに影響ないですから。

愛されるゴルファーのティーショット、涼しい顔をしてスパットをサッと見つけ、それに合わせて誰が見ても文句なしのエリア内にティーを刺しましょう。

横から見る必要はありません。