100回のうちの1回、その成功体験は奇跡です
林の中に打ち込んでしまったボール、木の間を通して見事にグリーンオン!させてしまった成功体験、あなたにもありますよね?
(ああ、今の誰かに見ていて欲しかった!めちゃくちゃ難易度高いショットだった!あの狭い間をクラブフェースを立てて低い球で狙ってグリーン手前でワンクッション入れて落ちどころも完璧で・・・)
ええ。とてもよくわかります。
僕にもあります、その成功体験。
上手くいきすぎて、まさか手で投げたんじゃないかなんて思われてるのでは・・・そんなことまで不安になったりして。我ながら見事でした。自画自賛。・・・でもそういう時に限って、誰も見てくれていないんですよね。当たり前です。他に誰が林の中に入れたんだよ。
その成功体験のおかげで、実は酷い目にあっている可能性があります。
なぜなら、林の中から出す時や難しいライから打たなくてはいけない時、あの時大成功したイメージが鮮明に浮かんでくるから。
木と木の狭い隙間や、絡み合った枝の間、生い茂った葉っぱから太陽の光が漏れているところ・・・あそこさえ通せば・・・よしっ!通る!
そして結果は・・・まあ、半分以上はミスでしょう。通るかよ太陽の光が漏れてくるようなピンポイント。
幹や枝に当たって予想外の場所に飛んでいったか、葉っぱに遮られて真下に落ちたか。狙ってもこんなど真ん中には当てられないって程、木の真芯で綺麗に跳ね返って、打った場所より遥か後ろに飛んでいったことも少なくありません。
そしてホールアウトしてみるとトリプルボギー以上、いや2桁なんてことも。
さあ、僕と一緒に冷静になりましょう。
林の中から打つ前に、落ち着いてよーく考えてみましょう
まず、そのショットを狙ったポイントに完璧に打てたとしたら、ボールはグリーンに確実にオンしますか?上りや下りの傾斜も読み切れていて、距離も方向もバッチリなんでしょうか?
ん、ちょっと一回落ち着いてみて?
確実にグリーンオンできないのなら、無理して狙って奇跡的に近くまで飛んで行ったとしても、アプローチがよほど寄らない限りはボギー。もう一方はグリーンオンは諦め、安全に狙える打ちやすいところに出して、次のショットでナイスオンなら、それもボギー。
どっちの可能性が高そうですか?可能性の計算できますか?いや、わかってるはずなんですよ、今まで何度も言われてきましたもんね。
それでは次です。
ボールがあるライはどうなっていますか?綺麗な芝生ではないはずです。
そもそも我々レベルのゴルファー、平らで最高の状態のフェアウェイからでもミスすることが多々ありますよね。どうして今限定で、そんなライから完璧なショットが打てると思うんですか?幻想です。
そして、ライの悪さをクリアして良いショットが打てたとして、その上さらにあんな狭い空間を抜けてくだなんてどんだけ自分の運を信用してるんですか?運ではなくて技術?え?
そもそも、そんな技術があるならどうして林へ打ち込んだんですか?
高さまで完璧じゃないと抜けないところを狙うだなんて、あなたにプロの魂でも降りてきてるんでしょうか?
ああ・・・なぜいつもやってしまうんだろう・・・素直に、確実に出せるところへ出すべきだったのに。そうしていたら、最低でもダボで済んだ・・・。
まだまだです。
ここでさらに、もう一つ冷静になりましょう。
スーパーショットで見事脱出したあなたを見てキャディーが思っていること
そんな難しい林からナイスショットをしたからって、誰も褒めてはくれません。
大概の場合、見てくれてもいません。
表面上は「凄かったね!」「上手かったね!」とは言ってくれるでしょう。でも、あなたがどれだけ難しい状況で緻密な計算をして上手く打ったかの熱弁をふるっても、適当に聞き流しています。興味がないからです。うるさいからです。
いつも以上にどうでも良いと思っています。
林まで一緒についてきてくれたキャディーはどうでしょう。
「あの狭いところを抜いてバーディーを狙いましょう!」って言いましたか?
あなたが狭い木と木の間に狙いを定めたのを確認した瞬間、
(人のアドバイスを聞かずに・・・こいつバカだなあ)って思っています。
万一、スーパーショットで抜けたとしましょう。「すごい!上手い!カッコよかった!」とは言ってくれるかもしれません。表面的には。
心の中の声は(うわ、こいつ運が良かったな、バカだけど)です。
そしてあなたのドヤ顔を気持ち悪いと思って見ています。
だって自分のアドバイスが無視されたんだから。
厳しい、難しい状況に打ち勝ったところで誰も、キャディーも、あなたを讃えてくれるわけではないのです。プロがテレビ中継されてるんじゃないんだし。
さあ、確実な方法を選ぶ勇気は出てきましたか?
「私が渡すクラブで、私が狙えと言った方向さえ狙って打てば、ミスショットしたとしてもあなたのスコアをあと5〜10打は縮めることができる」と、できるキャディーさんに言われたことがあります。
トラブルの時の最優先は次に打ちやすいところに必ず出す、つまり絶対にフェアウェイに出せるところを狙ってくださいと。
結果的にカッコ良いのはどちらでしょう?
冷静になりましょう。